[ 大阪歴史博物館・特別展示本山コレクション ]

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大阪歴史博物館・特別展示本山コレクション

(2016.10.29)
関西大学博物館が所蔵している選りすぐりの考古コレクションが、大阪歴史博物館に期間限定で特別展示されていると地下鉄の吊り広告で知り、足を運びました。元大阪毎日新聞の社長本山彦一さんは、考古資料を収集するだけでなく自ら発掘までおこなうほどで、個人博物館として「本山考古館」を開館。この考古館の収蔵品は関西大学の開学後しばらくしてから移管され、現在の関西大学博物館で研究・展示されるようになったそうです。

いろんな展示品を見たり説明をきいたりしているうちに、疑問が解けたり生まれたり…作品写真の下にはそんなつぶやきをいれているものがあります。考古の世界の常識とはちょっとずれてる感覚があるかもですが、そのあたりはご容赦を…。

ちなみに車内の吊り広告は「関西大学のちから」のLINEトークを編集したものでした(^^)

大阪歴史博物館(公式サイト)  ⇒関西大学博物館(公式サイト)
大阪歴史博物館8階の特別展示室が本山ワールドに!
■縄文時代
近畿地方では縄文時代の出土品を見られる場所が限られている中、関西大学博物館の収蔵品がこんなに幅広くて充実しているとは知りませんでした。全国各地の発掘品があるし、考古学を学ぶ際にこれだけ教材があるというのはとてもいい環境ですね~。
土偶上半(後期)・茨城県出土。
本展示を訪れた大本命!本山さん採集。
クッキリした目鼻立ち、豊満なボディ、
小さいのにすごい存在感です。
大きな写真
遮光器土偶(晩期)・岩手県出土
赤い彩色がほんのり残ってます。
会場でも「しゃこちゃんや~」と
お喜びの女子がいました(Θ。Θ)
大きな写真
石棒。形状が徐々に抽象化。
武器のかたちをしているものも出現。
(武器といっても戦闘用ではなく儀式用)
土偶は小さいけど、石棒はかなり
大きいです。
けつ状耳飾(前期)(重文)
藤井寺で頭部に付着した状態で発見!
いわゆるピアス。耳たぶに尖ったもので
穴をあけて徐々に大きくし、耳飾りの
スリットからその穴に差し込んだという。
山形・長者屋敷遺跡の展示でみたとき
感じた、装着方法の謎が解けました!
朱漆塗壺型土器(晩期)
出土地は残念ながら不明。
(形・模様は東北・大洞式っぽい)
漆の赤がしっかり残っています。
大きな写真
香炉型土器(晩期)
青森県の亀ヶ岡から出土の品。
縄文晩期トレンドの発信地亀ヶ岡は、
自分の中ですっかりブランド化。
撮らずにはいられません(^^;
注口土器(晩期)
亀ヶ岡式ではよく見かけるタイプの
注口土器で、状態がいいもの。

縄文鉢型土器(前期)(重文)
大阪・藤井寺出土。
上半分が爪形、下半分が羽状縄文。
底に穿孔のある土器で、埋葬時の
副葬品ととされています。
大きな写真
磨製石斧の完成品(左)と未成品(右)
どうして途中で作るのやめてる?
仕掛品で在庫して、必要なときに
作り上げていた?
磨製石器の技術を応用した
御物(ぎょぶつ)などのまつりの道具。
猪頭骨(晩期)
矢じりがひたいに刺さってます。
突進してきたところを仕留められたか。
貝輪(後期)
岡山県笠岡市で本山さんが発掘。
■弥生時代
近畿の弥生発掘品の定番「銅鐸」の「贋作」も展示してしまうのが、大学付属博物館のウリのひとつ。ホンモノ(の中にある概念)を理解していないとニセモノを見抜くのは難しい、という考え方もうなづけます。
こちらはホンモノの銅鐸。
左2点は大阪府四条畷市で発掘されたもので、入れ子になってました。
右2点は出土地不明。
江戸時代に作られた贋作の銅鐸。
考古ブームで偽物が作られたそう。
ホンモノとの違いを教えてくれました。
(突起が渦でなくネコ耳になっている等)
農耕に関わる水の模様(渦・流水文)は
銅鐸によく施されているらしいですが、
そうなると縄文の土器・土板・石板等に
みる渦の意図は何なのか気になります。

平形銅剣。愛媛県新居浜市出土。
平形銅剣は、主に瀬戸内エリアで
使われていた祭祀用の青銅器。
全体に平べったく剣先は丸みを帯び、
武器とはちょっと違う印象です。

(縄文時代)
左は昭和初期の分類では縄文土器とされていた、弥生時代中期の土器。
弥生式というと、フォルム重視の無地ものや、細い櫛状のもので模様をつける
櫛描文(くしがきもん)がメジャー。このデザインは見た目だけだと縄文時代と
区別するのは難しそう。右は縄文時代の土器です。印象似てる~(◎_◎)
中部高地の出土だそうだけど、もしやここにも続縄文文化が?!
大阪府堺市で見つかった弥生時代の蛸壺!発掘時の土器の並びやまとめ方で、たこつぼとして使われていたということがわかったそう。(蛸壺を使った漁は日本ならではという話も、意外でした)
■古墳時代
高坏形土器(重文)大阪府藤井寺市出土
4世紀。口縁部のまるい装飾と基台の
水玉模様がかわいらしい。
大きな写真
ざる形土器(重文)大阪府藤井寺市出土
ざるの目は、実際にざるの内側に粘土を
貼りつけて焼き上げる工法によるもの。
表現のリアルさがハンパないはずだ…。
石枕(重文)奈良県天理市出土。
4世紀、棺に納めた遺体の頭を安置。
頭部固定の役割があったようです。
銅製壺鐙(あぶみ)出土地不明。
鐙とそれをつなぐ兵庫鎖が
揃った珍しい品。
左から、石釧(いしくしろ)、車輪石、鍬形石(くわがたいし)×2点。
弥生時代の貝で作った腕輪が、徐々に形を変えていったもの。
貝の腕輪は「縄文時代」コーナーにもありました。
人物埴輪頭部(埼玉県行田市)
兵馬俑など土製の俑は他国でも作られて
いるけど、埴輪は中空(中が空洞)で
目をくりぬいて表現しているのが特徴
だとか。そういやそうだな~。
どうして日本は中空を選んだのか…、
思いつくのは、土の量が少なくて済む、
持ち運びしやすい、土器づくりの技術を
踏襲したものだから、あたりかな?
後頭部には刀子(とうす)を着用。
木簡などの修正箇所を削るために
小さな刃物を身に着けていた書記
などが考えられるとか。
最初は女性と思われていたけど
今は男性とされているそうです。
髪型は、パッと見女性に近い。
(男性は耳の横でくくるイメージ、
トーハクの古墳時代を参照)
6世紀の人物埴輪。
薄い系のしょうゆ顔ですね~。
鶏形埴輪。愛媛県大洲市出土。
時を告げるトリということで、
古墳の頂部から見つかることも。

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